夏の展覧会と制作

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 夏のガラス絵展は大分のみさき画廊。会期は長く、今月25日までやっています。ガラス絵と言っても作家ごとに表現は異なります。技法を限定することでテーマが浮き彫りになりやすいとも言えます。

 連日暑く、リトルクリスマス版画展の制作も佳境。
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 最近は銅版画からは少し距離があったのでエディション刷りをしながら感覚を取り戻しています。

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 そして和紙にペン。静かに線を重ねていく。

ツワモノどもが

 阪神梅田でのアート関ヶ原は西軍勝利!
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 という結果でした、やはり阪神では西軍強し。それでも齋藤自身は秋に同会場で展覧会が正式に決まりました。初めての個展です。例年の薫風と同じ会期ですが、いつもよりもサイズや画材などの幅をもたせてご覧いただける予定です。

 展覧会が連続していたので、大阪から帰ってきて気分転換に風鈴市に出かけました。

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アート関ヶ原始動。

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 今回、阪神梅田本店にて開催するアート関ヶ原は全国でここ大阪が初開催の「ご当地」×「アート」×「参加型(来場者投票制)」の展覧会です。入場、投票は無料で、全国から集まった31名の作家が出身地別に東西に分かれてアート合戦をします。小品中心に100点が所狭しと飾られ、常時10名以上の作家本人たちが会場で作品解説を行います。阪神の後は12月に広島にて「アート関ヶ原~安芸冬の陣~」の開催も決まっています。
 全く異なる背景を背に制作発表をしてきた作家たち、それを千差万別な楽しみ方をする来場者の方々。そして実際にその場で行われる投票という応援。これはアートが一部の専門家だけのものではなく、広く様々な人々を巻き込んだ風通しの良いものにしたいという思いから生まれた企画です。謎の評価基準や裏の忖度などの不正の温床を排し、純粋にその作品が見たい、欲しいという方たちに対して作品を問う、というシンプルな提案です。
 作家と来場者という他人同士が会場で作品を通じて出会う、より良い物を作りたい/見たいという真剣勝負の場でもあります。これからも作家活動を続けて欲しいと思う作家を応援しに是非お越しください。7月15日(月・祝)には観覧無料のトークショーもあり、私も出演し、作品について語ります。ご質問等もお気軽にどうぞ。
 この展覧会では多くの様々な技法を駆使して戦う(制作する)作家たちがいますが、今回出品する私の作品はガラスに直に塗布した油膜を針で 掻き落とし表現する「多層ガラス絵」です。出品予定作品は添付の画像をご覧ください。写真からの想像が難しいため会場でご覧いただければ幸いです。
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京都の個展の日々

 今回の虚京都の個展はオープン以外の時間が沢山あるので京都散策。
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 清水寺は改修中。足場が凄く良い。
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 以前行った投入堂を思い出しました。

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 飾り付けはこのような感じ。過去作の銅版画がとてもはまる場所で、こういう機会、巡り合わせはありがたいです。今までの様々な展覧会とは明らかに異なる雰囲気です。
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アスタルテ書房 個展

 京都では初めての個展を開催します。6/21(金)~7/3(水)
京都市中京区三条の古書店、アスタルテ書房。怪奇、幻想及び稀稿書と美術品に囲まれた静かな店内。1984年にオープンし、状態の良いフランス幻想文学の書籍を中心に扱いつつ現代のアーティストの版画作品の展覧会もしているそうです。
http://librairie-astarte.com
 SNSで作品を知ってくださったきっかけで阪神の展覧会に足を運んでくださり個展の話になりました。
ここ10年くらいの間に制作した小~中サイズの銅版画から先方と相談しつつ選び、お任せの飾り付けなので過去の作品たちがどう飾られるか楽しみです。初日と土日は在廊予定です。
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金銀箔展終えて

「金銀箔展」終了しました。今回は残念ながら1週間お客さんの少なめな会場で、反応もまた少なめでしたがそれでも3つある会場のうちではこの企画が最も盛り上がっていたのは救いでした。また参加作家の秋本さんによる箔の講座は大盛り上がりでした。
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 展覧会自体は作家も百貨店慣れしていて前向きに作品を届けようとする姿勢の人が多く、個人的にもカプセルホテルでぐっすりだったので制作の日常よりもむしろ規則正しい生活で健康になりました。
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 並べていてあれこれ思いつくことも多いです。自分だけでも他の作家の作品の中でも見え方は異なります。今回結果的にかなりギリギリまでほとんど不眠不休で制作してしまったので突き放してもう一歩踏み込みが浅かったのかもしれないと反省しました。「寝かせる時間」をとるスケジュールを組み直し。
 他作家と作品の内容を比べるのは危険な部分もあるのでほとんどしませんが、技法の情報交換や、道具の工夫などは常に参考になってありがたいです。そして食についても!福屋の近くに美味しいお好み焼き屋さん登場。
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 作品の内容はやはり自分で決めて進んでみて確かめていくしかありません。帰路に着く前に数人で反省会しつつモヒート。この蒸し暑い広島の夕暮れ、忘れません。
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金銀箔展ー広島

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 今年はしばらくは関東はありませんが展覧会は続きます。箔に着目した展覧会です。
 安土桃山時代の障壁画、中世イタリアの黄金背景テンペラ画、羊皮紙の写本など、自分好みの作品の中には金箔が散見出来るものもあることに最近気づきました。今まで金箔以外の部分を見ていたということに少し驚きました。展覧会会場としては、年末の来場者投票企画から約半年、広島で再び展覧会の機会に恵まれました。雁皮紙にペンと箔、箔を使用したガラス絵を新作中心に飾ります。
 昨年から少しづつ小品で試みていた金箔とペンの組み合わせを大きいサイズで作りました。反応やいかに。全日在廊予定です。

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ザ・美術骨董ショー2019終了

 「ザ・美術骨董ショー」終了しました。
 百貨店や画廊とは異なるお客さんが沢山いらっしゃって毎年楽しい。
 普段ペルシャ絨毯を扱っている専門家が和紙に刷られた小さな銅版画を持ち帰っていく縁の面白さ。
 先月初披露した他作家とのコラボドローイングも新たな額装で飾りつけ。足を止めるお客さんが多く好評でした。
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 自分も唐津と備前を持ち帰り。唐津はおなじみ藤ノ木土平さん。備前は伊勢崎紳さん。裏の印からおそらくは昨年銅版画と交換して入手した徳利の作者と同じだと思います。
 食べる中身より器が立派になってしまいそう。
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展覧会から展覧会

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 伊勢丹府中の「漆黒のアート」は盛況のうちに終了しました。府中では初めての展覧会で、一緒にやる作家も初めての組み合わせでしたが、結果的にはお客さんも想定より多く良い展覧会になりました。また、この土地自体も、大国魂神社や、古い和紙屋を発見し飽きませんでした。
 さて、その熱も冷めやらぬまま次の展覧会に突入です。と言っても毎年恒例になっているGWの東京プリンスホテルにて開催される「ザ・美術骨董ショー」のスタッフ兼出品作家としての仕事です。1日から5日まで毎日在廊していますので、是非日本最大級の美術骨董ショーを楽しみにいらしてください。日によって微妙に時間が変わりますのでお気をつけて。
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http://www.japantique.org/top.html

飾り付け完了。

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 展覧会始まります。
 話していると、制作や作品のことで他の2名の作家とも通じる部分があって面白い組み合わせです。
 ミチヨさんは齋藤と同じく針を用いて黒に白を刻んでいく作品、スクラッチ。長谷川さんは黒に白を作りますが針ではなく銅版を滑らかにしていく、メゾチント。そして齋藤は白に黒を針や銅版で描いていきます。

漆黒のアート

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 4月17日(水)~23日(火)、伊勢丹府中では初めての展覧会をします。「黒」をテーマにした3人の作家の展覧会です。
 ミチヨさんはスクラッチ、長谷川さんはメゾチント、自分はペンや銅版画を中心に飾ります。
 油彩からデッサンやドローイング的なもの、銅版画などの方に惹かれていった自分にとってはモノトーンは今の作品の軸足でもあります。近くの神社には「くらやみ祭り」なるものがあるとのことで、この場所にぴったりですね。
 府中か府中本町から歩いてすぐです。火曜、木曜以外在廊予定です。

https://isetan.mistore.jp/store/fuchu/index.html;jsessionid

「リフレクション」オープニング

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 「リフレクション」に在廊し、オープニングを迎えました。アートギャラリーミューズは秋から年末にかけての「リトルクリスマス~小さな版画展~」で毎年お世話になっています。
 箕輪さんの学生時代からのミューズ秘蔵の大作銅版画で盛り上がっていると、徐々にお客さんが集まり駐車場は満車。
 ここでは初めて発表するガラス絵や、作家側も試み自体が初のコラボのドローイングなどに興味を持っていただきほとんど終始その話をしていました。それらと共に馴染みの銅版画や、菅野さんの絵本など各作家の作品にご予約が決まり、良いスタートになりました。
新たな試みも含め面白がってくれる度量があるお客さんたちはありがたいです。

https://www.agmuse.co.jp

リフレクション

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 前橋、アートギャラリーミューズで展覧会をします。リトルクリスマス以外では個展以来なので3年ぶりです。
 「リフレクション」という言葉には、反射、反響、熟考、内省といった意味があります。
 左右反転する銅版画や、裏側から絵を描くことで前後も反転するガラス絵を普段から制作する4人の作家による展覧会です。
 今回はそれらを中心にした作品群に加え、それぞれが別の作家の銅版画に手を加え(上描きし)、この展覧会の為のコラボレーションとして作った1点もの作品も出品します。
 このコラボレーションは、銅版画作家の制作過程からの発想です。銅版画は、完成の本刷りに入る前の段階で、多数の試刷りが生じます。それは色や描写、構図などのイメージを確認する為のものです。その試刷りの紙にメモしたり、試し描きしつつ製版を進め完成に向かいます。そこに他者のイメージが加わった時にどのように作品が方向転換し、違った道へと展開していくのか。本人が制作した元の版画と、他の作家によるイメージの展開をしたドローイングを並べて飾る予定ですので、1人が独断で制作していくものとは一味異なる趣として楽しんでいただけたらと思っています。
 4月7日(日)の17時からはオープニングレセプションも開催されます。当日は私も含めた3人の作家が来廊し、自作や展覧会についての詳しい解説なども出来ますのでお気軽にお越しください。

https://www.agmuse.co.jp

水彩画の感覚

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 個展が終わった気持ちの隙間に異なる素材、異なるモチーフの絵を描いてます。
 水彩は、銅版画やペンをずっとやっているとそれらとかなり違う感覚なので、新鮮に取り組めます。毎日の手軽な万年筆のドローイングに比べると、やや断続的になってしまいますが元々水彩には長く親しんできました。最近は発表する素材の種類が増えたので水彩は制作しても未発表ですが、この水彩という素材に向き合っている時の感覚は自分にとって大事なんだなぁとやるたびに感じます。やっている本人にしか感じれないのでそもそも説明は出来ないのですが、今その瞬間に生成されたような新鮮さ、重なって重みを増す部分、染み渡って重低音のように響いたり、消えていく儚さを感じたりが同時に起こっているような・・・。言葉では言い表しがたいそれらが一気に心に飛び込んでくるようなダイナミックさがあります。
 それぞれの画材で線引きせずにこの感覚を保ったまま横断したいという気持ちがむくむく湧きます。翻って銅版画やペンやガラス絵の描写にまだまだ工夫の余地がたっぷりあるということに気づかされました。
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個展「行き交ふ」を終えて

 気づいたら梅満開。
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 今日は次の展覧会の話し合いでいつもと違う道を歩きました。1週間自宅と伊勢丹浦和を往復していた生活もひと段落。自転車で往復してはいましたが、案外同じ道ばかりだと季節に疎くなるのか、個展に意識が向いていたせいなのか。
 齋藤悠紀作品展「行き交ふ」終了しました。久しぶりに地元での個展だったので知り合いも多く来場してくれました。この会場では初めて発表するテーマや素材の作品もあったせいか興味を持って見に来てくれた新しいお客さんも多かったです。
 ガラス絵は新旧作完売。その上、コラボレーション企画で少し大きめのガラス絵の依頼もいただきました。(詳細はまたの機会に。)
 ペンやテンペラ、紬、金箔などで描いた1点ものも手応えのある反応をいただき、新作への意欲が湧いています。
 銅版画を軸にしつつ模索してきた1点ものの制作が形になり、個展が成功した事に自信がつきました。
 作品を購入していただいた方、見に来てくれた方、ありがとうございます。

飾り付け

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 張り詰めた空気が少し緩んだような気がします。梅も咲いています。
 個展の飾り付けをしました。スタッフの方のてきぱきした動きにいつも助けられます。
 
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 展覧会前に東京新聞と朝日新聞に取り上げてもらいました。これを機に興味のある方々と出会いがあると嬉しいです。
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 個展は明日(20日)から。
https://www.isetan.mistore.jp/urawa.html

浦和伊勢丹個展'19「行き交ふ」

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 地元浦和伊勢丹で4回目の個展を開催します。この会場では2年ぶりの個展です。
 去年から引き続き、襖や障子、屏風などの間仕切りをテーマとした作品を発表します。
 間仕切りは視界を遮るものでありながら、天候や時間の移ろいという捉えどころのないものをこちら側へ印象深く伝えます。間仕切りが誘う空想の去来をテーマに和紙にペン、金箔を用いたガラス絵、銅版画など新作を含めた約30点を展示販売します。
 会期中は在廊しますので、是非お越しください。

バビルサと蝶

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 毎年その年お世話になった方々へ年賀状を作っていたのですが、年末年始展覧会と制作続きで隙がありませんでした。そこで遅らせて2月の個展のご案内と一緒に送らせていただくことにしました。

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 今回のテーマは鹿猪。バビルサという名前の方が一般的でしょうか。自分の牙が口を突き破り、終いには自分の頭部を突き刺すほど伸びてしまう不思議な猪です。(実際には頭部に刺さるのは稀だそうですが・・・)話だけ聞くと滑稽ですが、見た目は中々威厳があります。
 角がある動物はどこか神聖な雰囲気を纏いますね。バビルサは牙ですが、どうせならもっともっと伸ばして鹿の角のようにしてやろうと思って描きました。蝶がどこかから飛んで来れば花札ですね。

これから寝不足に気をつけつつ毎晩少しづつ送ろうと思います。もうしばしお待ちを。今年もよろしくお願いします。

扇子の虎制作裏話・第5話

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 インクが乾いたら扇子に貼り込みます。このままも綺麗ですが、直接手で触れることを想定すると、保護したいところです。そこで柿渋登場。

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 柿渋は1回塗りでは紙に染み込んでしまってあまり効果がないので、乾かしては何度か塗り重ねます。だいたい3回目くらいから艶が出始めます。7回ぐらい重ねると絵が見えなくなってきます。紙と絵と柿渋の状態、塗り方の加減で雰囲気が変化するので、塗りながら考えます。今回は畳むものなので、あまり厚みも出さないようにするため3回に留めました。この柿渋は経年変化で紫外線によって更に濃く、艶も増します。それがお楽しみでもあります。

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 サインと落款。サインが花押のようだと指摘されました。花押というものは寡聞にして知らず、自然とこういうサインになっていました。

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 表。

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 裏。こちら側は和紙をランダムにコラージュして1点ずつ違う模様になります。

 完成。始めて取り組んだ企画物ですが、銅版画とコラージュと柿渋、という経験をまとめてなんとか満足いく形になって嬉しいです。
 新年の企画は終了しましたが、引き続き阪神梅田の古忨堂に常設させていただいています。ご興味ある方はそちらへお問い合わせください。
http://www.kogando.jp

リトルクリスマス最後に向けて

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 去年のリトルクリスマス、最後の仕事は作家への返却作品の梱包と発送。そしてデータを見つつの反省会。この時に集まって作家同士あれこれ話す場があるのがこの展覧会のいいところです。どうしても作家は孤独な時間に偏りがちなので、制作発表を違う場所でしている者同士たまに意見交換をしたり、展覧会を振りかえっての他者を交えての冷静な判断は、次の展覧会をよりよいものにしようとする意識に繋がります。独りよがりな方向へ偏らない大切な調整です。今年のテーマはこの日に集まった作家で出し合った候補の中から投票で決めます。10回目の今年はフィナーレにふさわしいテーマになるといいですが。
 版画を楽しめる種を全国に蒔こう!と小さいサイズ、低価格設定。しかもそれを新作で同時に30箇所以上で、という挑戦。経済面だけとっても、特にこの3年間連続で一千万円を超える市場になりました。また9回目の去年は作家全員ほとんど売れないという個人はいなくなり、いろいろな作家を楽しんでもらえるようになってきたようです。とても嬉しい結果です。
 今年も水面下で動き始めています。新作をお楽しみに!