紬との再会

 その時に取り組めるテーマと、それに合う素材との出会いには時間差があることもあります。
 テーマがあって素材を探し、制作に移る、というのはきっと誰もが想像し、納得する分かりやすい作家の制作活動の説明なのだと思うのですが、作る側の気持ち、少なくとも自分の場合は少し違います。ズレがあるというのもしばしば。
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 例えば、先日額装したペン画にコラージュしているのは、以前(6年前!と指摘していただきました)自分が気になって仕方なかったので、収集しておいた小千谷紬。その時に現在のテーマが明確にあって、それに使用しようと考えていたとはとても思えませんが、だからと言って全く無関係でもないようにも思います。要するに、考えて何とか説明出来る範囲を超えた部分が、その選択に関わっている気がします。
 テーマ自体の捉え方自体が、自分は、先に絵があって、その後それが何か把握して、徐々にまた先に進むというやり方なので、その辺は素材にも当てはまるのかもしれません。
 何故その素材が気になるのか。それが自分の制作にどのようにフィードバックされるのかが、入手した時点で曖昧なことが多い。この曖昧さは、混乱であると同時に可能性でもあります。耐えてじっくり取り組んでいくとある時に別々の路を通ってきたものが、合流出来る幸運に立ち会えるようです。

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