MVWの来場者投票
美術の世界で、専門家や先生ではなく来場者による投票は珍しいと思うかもしれません。
広島は福屋八丁堀にて、毎年年末に行われてきたMVWという展覧会は6年間それに挑んできました。
私は、個人的な判断で「自分のお気に入り」を選ぶということは意味があることだと考えています。満遍なく絵を眺めていた時よりも、その作品について一歩踏み込んで楽しむきっかけになるはずだからです。なぜかこの1枚に惹かれる感覚というのは誰しもあることと思います。それを見つけた時に、一個人がその作家を積極的に応援出来たなら、権威や格式などに囚われない自由な美術の楽しみ方が開けてくるかもしれない、と思うのは夢見がちなことでしょうか。
少なくとも、ふと気になった作家に関わってみることは、結局は他の作品や作家をも深く知ることになり得るのです。そしてそうやって形作られた「ものさし」がその人の美術に対する尺度そのものなのです。
さて、来場者投票という型破りな形式を導入してきたこの展覧会に参加して3年目・・・ついに個人1位を獲得しました!
飾り付けや搬出も含めると8泊し、毎年現場に立ってお客さんと接し、少しずつ制作に創意工夫を重ねてきたことが間違った方向ではなかったと後押ししてもらったようでとても嬉しかったです。
残念ながら総合では、紅組人気が高く、夏の勝ち組展は叶いませんでしたが、毎年個人的には前年度よりも何らかの手ごたえのある結果が返ってくるのでそれほど落ち込んではいません。広島の方々、ご来場ありがとうございました。また良い作品を作って戻ってきます。しばしのお別れ。