リトルクリスマス最後に向けて

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 去年のリトルクリスマス、最後の仕事は作家への返却作品の梱包と発送。そしてデータを見つつの反省会。この時に集まって作家同士あれこれ話す場があるのがこの展覧会のいいところです。どうしても作家は孤独な時間に偏りがちなので、制作発表を違う場所でしている者同士たまに意見交換をしたり、展覧会を振りかえっての他者を交えての冷静な判断は、次の展覧会をよりよいものにしようとする意識に繋がります。独りよがりな方向へ偏らない大切な調整です。今年のテーマはこの日に集まった作家で出し合った候補の中から投票で決めます。10回目の今年はフィナーレにふさわしいテーマになるといいですが。  版画を楽しめる種を全国に蒔こう!と小さいサイズ、低価格設定。しかもそれを新作で同時に30箇所以上で、という挑戦。経済面だけとっても、特にこの3年間連続で一千万円を超える市場になりました。また9回目の去年は作家全員ほとんど売れないという個人はいなくなり、いろいろな作家を楽しんでもらえるようになってきたようです。とても嬉しい結果です。  今年も水面下で動き始めています。新作をお楽しみに!

都心のリトルクリスマス

 東京でもリトルクリスマスがスタートしています。 Gallery惺SATORUは吉祥寺の並木道の中にある画廊。道から一段下がった少し奥まった所にあるので、隠れ家的な静かで綺麗な空間です。ここは共同企画作家の常田さんが、ポスターや入口のロゴなどデザインしています。かっこいいですね。木版画の井上さんと3人で初日に在廊。
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オープニングの様子。
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 そして本日からスタートする表参道のギャラリー412の方は飾り付けをしてきました。作家は、絵本や銅版画の菅野さん、リトグラフの石川さん、銅版画の箕輪さんと4人で。
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 木版の齋藤千明さんの作品は畳むとA4ですが、伸ばすとこんなに長い。折りたたみ式版画です。
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 各作家、9年目にもなるとあれこれ工夫していますね。
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 齋藤は原版を飾っています。  夜はイルミネーションも輝くそうです。是非お楽しみください。

リトルクリスマス盛り

 今年のリトルクリスマス版画展も後半に入り、各地で盛り上がっているようです。なかなか全部の会場に顔を出すのは難しいのですが、出来るだけ直接画廊の方やその現地のお客さんとお話する機会がもてればと思って動いています。  
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 前橋、アートギャラリーミューズは毎年のことながら温かいお出迎えのオープニング。去年は阪神百貨店の薫風展と会期が重なってしまい初日に伺えませんでしたが、今年は参加。もう一人の在廊作家の林孝彦さんによるビュランの解説や実演、体験などしつつ歓談。夜には同じ銅版を使う作家の箕輪さんも合流しました。
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 地元浦和は柳沢画廊。ここは2階で作家の雑貨、3階でリトルクリスマスです。在廊していると雑貨がやはり人気ですが、版画の方は静かにじっくり見ている様子。会期中に作家と会えたのは初めて、と喜んでくれたお客さんもいました。
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 新潟の羊画廊は会期前にご挨拶して、今後のことなどをお話できました。オーナーの堀さんはこの企画をとても好意的に考えてくださっていて、若手の動きに期待してくださっているようでした。  まだまだ続きます。是非お近くの画廊まで。会場、会期など詳しくは以下のサイトへ。 http://www.little-christmas.com

9th リトルクリスマス~小さな版画展~

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 リトルクリスマス版画展(LC)始まりました!地図は作家の常田さん製作。ご覧のように全国に作品たちが旅立ってゆきます。  今月スタートは、福島/鏡石、神奈川/相模原、愛知/豊橋、北海道/旭川、東京/麻布十番の5箇所です。  既に予約が始まっています。ご予約はいつでもどの画廊でも出来ます。また、会期が遅い画廊でも、その展覧会に飾ることはその画廊が優先ですので、会期中はどの画廊へいつお越しいただいてもご覧いただけます。  詳細は http://www.little-christmas.com まで。  今年は9回目。10回やろう、という企画なので、来年で終わりです。  過去の、LCについての齋藤の記事は、タイトルをクリックするとブログ内のタグから遡れます。企画趣旨、その思いなどを8年間綴ってます。リトルクリスマス版画展をクリックしてください。

玄兎あそび

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 中秋の名月。  に合わせたわけではないですが、この作品は来月から年末にかけて全国で開催されるリトルクリスマス版画展にて実物をご覧いただけます。ご興味あれば、是非お近くの画廊でお求めください。  今年のテーマは「芽生え」。芽生えと、開花、種子を作り、また新たな土地へ・・・。植物のことでもあり、人の描くイメージにも共通のものがあると感じています。最近は古典のモチーフや絵画に自分の着想を織り交ぜた作品が作りたいと強く思うようになり、日々創意工夫です。    今までの記事を振り返り、タグを付けています。記事をクリック→例えば「リトルクリスマス版画展」をクリック。で、これまでのそれに関連する記事を一度にまとめてご覧いただけます。

銅版画制作工程

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 竹ペンで描画。
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 その後防食剤(グランド)を塗り、乾いた後水で洗い流すと、竹ペンで描いた部分の銅が露出し、腐食出来るようになります。グランドを浮かすので、リフトグランドエッチングと言います。
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 更に点描などを針で描き足してから腐食。何度か繰り返して出来た版がこちら。
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 インクを詰めた後、版の、向かって右面にだけ薄い和紙(雁皮紙)を張り込んでからプレス機を通します。(雁皮刷りという技法の部分的な利用)
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 刷り上がり。  完成作はまた後日。

リトルクリスマス2018 「作者」と「作家」の違いによせて 

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 今年もリトルクリスマス版画展が始まります。準備は暑い時期から進めていて、9月に作家たちの新作が集まり、それをボランティアの作家が1点ずつ梱包してようやく全国の画廊へ旅立ちます。10回の企画なので、だいぶ終わりに近づいて来ました。  毎年のことで、複数枚刷ることはすっかり慣れました。刷った作品をどうすれば色んな場所の方々へと届けられるか、という工夫をしながら月日が経ちます。  作り手には色んなスタンスの人がいますが、私は、作品を作るだけの「作者」から、作って届けることで社会的な「作家」になりたい、という思いが常にあります。これは先輩作家にも時々言われたことで、心に残った受け売りを自分なりに考えたものです。  「作者」は、自分とモチーフ、作品の三角形が問題の全てです。それはたっぷりと味わってきましたので、その良さは重々承知なのですが、「作家」には更にそこにもうひとつ視点が加わります。それが他者です。「作者」の意識のみの人には、実は展覧会がそれほど大きな意味を持ちません。というのも、飾る前から、ほぼ自分の仕事は終わったような感覚で心が満たされ、一息ついてしまうのです。そういう日々への懐かしさは感じつつも、やはり心がそれでは満たされなくなったというのが本当のところです。勿論経済上の現実もあるのですが、それは同時進行の課題であり、それよりも実際は、納得したいという部分の方が行動に駆り立てているように思います。  16歳の頃に美術部で制作した作品を、部活と関係のない場所で飾ってみたい、どのような反応があるのか知ってその中で作品をもっとたくましいものにしたい、という思いを抱いてからというもの、方法は変われど、根本は変わりません。  さて、そんな思いで発送した作品、各地で出会いがあると幸いです。行ってらっしゃい。
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真夏に思うクリスマス

 リトルクリスマス版画展2018の作品を制作中です。今年のテーマは「芽生え」。去年までの作品を並べ、振り返ります。
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 第1回めからがっつり絡んでいるので、もう8年やり続けてきました。自分なりにあれこれと創意工夫し、前年度までにやってきたことの繰り返しにならないよう、何かしらの挑戦を毎年してきたつもりです。今年は銀座三越の個展で取り組んだテーマを延長し、銅版画にフィードバックしてみようと構想中です。  お楽しみに!

秋の関西巡り

 嵐の中の展覧会、青梅の繭蔵「underwater」台風の合間を駆けつけてくださったみなさま、ありがとうございました。その搬出を終えた足で夜行バスに飛び乗り、関西へ旅立っていました。恒例の阪神梅田本店での「薫風展」も今年で3年目。来年が戌年なので色紙に犬関連の絵を描いて作品のお供にしました。
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 去年よりもお客さんが多く、あっという間に1週間終了。会期中泊めてくれた旧知の夫婦に感謝。食事や会話でほっとする場所があるのはいいですね。  その後リトルクリスマス版画展を開催してもらっている大阪ギャルリプチボアへ立ち寄りました。立体作家やリトルクリスマス版画展には出品していない作家も含めた展覧会で、画廊による独自性がこの企画の面白いところでもあるなぁと改めて実感。ちなみにここの展覧会に触発されて企画したのが「underwater」でした。
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 齋藤のガラス絵と銅版画も持参し、飾らせてもらいました。ふらっと行ってもとても丁寧に接していただける画廊で、居心地が良くつい長居してしまいます。   空いた時間で京都の石塀小路や、奈良の薬師寺に立ち寄ってから夜行バス。いい関西巡りでした。
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立体とリトルクリスマス

 朝から車にいっぱいの荷物。青梅の「繭蔵」に作品搬入してきました。
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 リトルクリスマスと共に、開催する「underwater」。  出品作家と繭蔵の庭崎さんとであれこれ相談しつつ飾ってきました。全国のリトルクリスマスの会場の中でも最も広い空間を贅沢に使わせてもらっています。  立体作品の作家と飾ると空間の印象ががらっと変わるので面白い。リトルクリスマスも各会場で個性がどんどん出てきました。  underwaterはもちろんのこと、ここでしか味わえないリトルクリスマス版画展もお見逃しなく。 10/20(金)~/29(日)11時~17時
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underwater

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 青梅の蔵をリノベーションしたレストラン「繭蔵(まゆぐら)」  2階の広い空間で展覧会をします。  underwaterと題し、3名の作家がそれぞれの捉え方で飾りつけます。    栗原ありさんは、ダイビング体験を活かして水中の生きもののユーモラスな表情を陶芸で鮮やかに焼き上げます。  水中から引き剥がされた地層のような空想建築を樹脂陶土で作る山口茉莉さんの作品は、時間を旅するかのようです。  齋藤悠紀は、漂着物を中心に、銅版画やガラス絵で水中と浜辺のように二つの世界の行き来をテーマとした作品を出品します。小品も多いので、3人で100点近く並びます。  10/20(金)~/29(日)11時~17時。    メカジキを原寸大で描いた大作銅版画の「舵木通し」をはじめ、漂着物を描いた過去作銅版画、ガラス絵。コラージュとテンペラは新作を中心に出品します。また、今回は、漂着物の中でも特に骨をモチーフにした陶芸作品も出品します。  齋藤は、火曜と土曜以外在廊予定です。1階のレストランをご利用いただかなくても展覧会だけをご覧になれます。  会期中はいずれかの作家は在廊しますので、是非お越しいただき、静かな空間で水中散歩を楽しんでいただけたらと思います。    同じ会期中に、リトルクリスマス版画展をここでもご覧いただけます。

リトルクリスマス版画展スタート

 ハロウィンもまだですが、今年のリトルクリスマス版画展が明日から始まります。  最も会期の早い会場のAzabujuban Gallery(http://azabujuban-gallery.com/wp/)に本日、作家仲間と飾り付けを行ってきました。  これからリトルクリスマス版画展は全国津々浦々で年末まで行われますが、飾り付け方は画廊により個性豊かなものです。麻布十番は、ガラス張りで外から中が見えるので飾り付け中も道行く人が覗いていました。  白い壁と打ちっぱなしコンクリートが向かい合う、シンプルでおしゃれな空間です。  預かった49点の作品を、我々4人の作家のセンス光らせて飾ってますので見に来てください。9日(月)まで。
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旅する版画

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  「逃走」、「逃避行」、「逃げるが勝ち」  「旅する」という言葉から真っ先に浮かぶのはそういう連想。  逃げるというのは捉え方次第。「何か」からの積極的な逃げ、全力ダッシュ。  嫌ではないし切っても切れないけれど、距離を取らなければ出来ないこともあります。息ができない状態から脱出する為に旅をしたくなります。家に「置いてくる」ことが上手くいけばいくほど旅は輝きを増し、爽やかな風が吹き抜けるのです。  まだ暑さが残っていますが、10月4日から年末にかけて全国の画廊で、リトルクリスマス版画展始まります!  小さな作品と沢山の人たちの、各地でのいい出会いがありますように。  今年のテーマは「旅する」。  ツイッターやインスタグラムもチェックできます。 http://www.little-christmas.com
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庭の蔓たち

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 リトルクリスマス版画展、毎年全国で開催しています。作家は暑い時期から真冬の収穫の為に準備しています。  今年は先月から植えたヘチマを描いています。毎年のゴーヤと朝顔に加えて、初めてヘチマを育てています。朝顔にはカメムシが行列。蟻がたかるのはヘチマだけ。

picture painted on glass

 夏まっさかりに展覧を企画していただきました。大分県のみさき画廊です。リトルクリスマス版画展(LC)でも毎年お世話になっている画廊です。LCに参加している作家もそうでない作家もガラス絵という共通項で一同に飾る催し。こういう趣の展覧会は自分にとっては初めてで、大分の方にどう受け止められるかという楽しみもあります。  レトロな雰囲気と小さく封じ込められたような独特な雰囲気を持つガラス絵。  大分にお越しの際は是非。
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2017年8月3日(木) ~27日(日) 12時~18時半 水曜、13日~16日休廊 みさき画廊 http://www.misakigallery.jp

リトルクリスマスの小さくはない思い

 昨年のリトルクリスマス版画展の返却作品の、全国の作家への梱包&発送と今年の企画の話し合いをしました。  全国のお客さんの反応、飾り付け、連絡の話などをお互いに交換反省。そこで出た何気ない話題から会話が膨らんで、またそこから話し合い。作業も大事ですが、そういうことこそが、集まってコーヒーを囲んでいると直接出来るのがいいところ。そういうのは大学時代からあまり変わらない。渦中にいる瞬間よりも、少し突き放して考えることが出来ます。遠慮のないことを言っても受け止めてくれる先輩作家の懐の深さに甘えてついつい喋り過ぎ外は真っ暗。そういう場自体がありがたい。  形式的ではないそんな会話を欠かさずに7年間やってきていることもただのグループ展にとどまらない結果にも繋がっているのだと思います。あまり知られていませんが、リトルクリスマス版画展は飽くまで「作家発信」なので、誰かにやらされているわけではありません。作品を画廊にお送りした瞬間から様々な方に支えられ成り立つ、毎年一から始める企画なのです。それは上下関係が構築され組織化されていくものではなく、単発のお祭り的なイベントでもなく、目的が不明瞭の惰性で続けているグループ展でもありません。  「版画」というものの特性、各地で多くの方の手に渡る複数あるクオリティの高いオリジナル作品、それをなくしたくない、その魅力を分かち合いたい。作家、画廊、お客さんなど関わる人間のそれぞれの思いを分断せず、小さく仲間内でまとまらず、「版画」によって繋がる色々な方の関わりを大切に未来に繋げたいという願いから続けている展覧会なのです。版画はその軽さと薄さと複数性ゆえに、人と人とを繋げやすいアートなです。クリスマスは元々は冬至の太陽の復活を祝うもの。  毎年売り上げも更新し、今年は1300点以上がお客さんの手に渡って行きました。  各会場を回ってそれぞれの画廊での体験を楽しむ方、自身のブログ、SNSで紹介する方、始まる前から予約を入れてくれる方、何点もまとめて購入してくれる方・・・全国のお客さんが確実に増え、それぞれの楽しみ方の個性さえ感じるようになってとても興味深く、ありがたいです。昨年は本当にお世話になりました、そして今年はどんな作品が出てくるか、お楽しみに!
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展覧会を渡る

 大阪の展覧会を終えて関東に帰ってくるとすぐにリトルクリスマス版画展の関東で行けるところへ。まずは横浜art truth。ここは今年初参加の横浜のギャラリー。神奈川代表です。石川町から歩くと様々なショップがどことなく垢抜けている印象。橋を越えて中華街の入り口では何か撮影をしていました。ギャラリーは少し静かな路地にありましたがぽつりぽつりとお客さん。ここを通勤の帰りに寄って気に入った絵を買うというサラリーマンの方と話す。
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 群馬代表は毎年お馴染みギャラリーミューズ。今年も地元の方々に囲まれて賑やかなパーティー。一晩泊まって次の日は社長の運転で前橋観光をさせて頂くという贅沢。
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 気になっていた原ミュージアムARCへ。印象を一言で表すと贅沢な場所でゆっくりアートを楽しむ、という感じ。牧場に隣接した芝生の広大な丘に磯崎新の洒落た黒い建築。中のアートも聴覚や動いて楽しむ体感型のものや時間とともに変化するものなど平面作品だけではない、また一変して和風のコレクションを見せる離れの館もあります。点数はそれほど多くもないけれど、かなり満足感があるのは質の高さとその見せ方、また環境そのものの落ち着いた雰囲気があるからなのでしょう。
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 その後水沢観音で紅葉を見て、古墳などに寄りつつ帰宅。
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 そして今日から浦和伊勢丹にて金銀箔展という展覧会に出品中。  金銀箔を使用した作品限定ということで、コラージュ作品と、ガラス絵に金箔を用いた作品を15点ほど飾っています。20日(日)の13~14時には細迫さんによる箔のミニ講座をしますので箔に興味ある方は是非参加してください。
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また会期中ですが、19日(土)には同じく浦和の柳沢画廊のリトルクリスマス版画展&柳沢雑貨店もオープンしますので気になる方は是非浦和へ。掘り出し物が見つかるかも・・・。土曜日の柳沢画廊のパーティーは17時半からで、齋藤も参加予定です。

関西ぶらり

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 阪神梅田本店の薫風展で、1週間ほど大阪に滞在しました。京都の知り合いが泊めてくれたお陰で毎日すこぶる健康な日々でした。ビジネスホテルに何日も泊まっていると食も偏るせいかどこか不具合が生じるけれどそういうことはありませんでした。食事も誰かとすると楽しい。移動がまったく苦にならないほど楽な日々でした。慣れない土地は新鮮に感じ、朝が爽やか。  お客さんはフロア自体少なかったものの以前にも展覧会をした際に来場された方がまたいらしてくださったり初めてお会いするお客さんにも恵まれました。百貨店の会期はあっという間。  次の日は折角関西まで来たので東大寺見物。途中の興福寺国宝館は何気なく入ったら圧倒されました。東京に来たら行列必至。十大弟子や八部衆など揃いもので微妙に表情や仕草が異なる像は親しみやすく、細部の発見も楽しい。色々と定められた形式で作られているのだと思うのですが、がんじがらめのつまらなさはない。勿論緩さはない。「面白さ」のレベルが違うということ。優れた仏像の不思議です。  大仏も良かったけれど、とにかく外国人が多く、喧騒から逃げるように黙々と歩いてゆくと開けた奈良の街並みが一望でき一呼吸つく。二月堂を風が渡る。
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 夕方からまた大阪へ。開催中のリトルクリスマス版画展、ギャラリープチボアに初めて訪れました。母娘で企画されている広く曲面のあるギャラリーでした。リトルクリスマス以外にもガラス絵や彫刻あり、それ越しに見える版画がまた面白いしつらえ。
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 作家や作品の話になるとギャラリーの方もとても熱く、ついつい夜に。そうこうするうちに地元の作家やお客さんも来場。来て良かったと思えるいい夜でした。

CCGAとリトルクリスマス版画展スタート

 今年もリトルクリスマス版画展がスタートしました。7年前に作家企画で全国の画廊の力を借り、「版画を楽しむひとたちの種をまこう」と始めました。すべての作家が経歴や年齢に関係なく、新作を1枚だけA4サイズの規格に自由に表現し、この期間だけ同じ価格で販売します。毎年完売作家も出るほどの人気に成長しました。  作家としては、きちんと多くの枚数を同じ質で擦り切るという、学生はあまりやらないこともこの企画を通して当然のように出来るようになり、その先のエディションを利用した展開も具体的になり、見晴らしがきくようになりました。  今年最も早い開催の福島、鏡石鹿嶋神社へ作家仲間と行ってきました。  道中、CCGA(現代グラフィックアートセンター)に寄り道。 http://www.dnp.co.jp/gallery/ccga/ フランク・ステラの代表作がたったの300円で何点も見られるなんて本当にありがたい。しかも貸切状態。都心の美術館の企画展ではこうはいかないでしょう。高い入場料と少ない代表作、客でごった返す会場で遠くからチラと覗き見るだけ・・・これでは行かない方がましかもと思うことも少なくありません。要するに見る側としては、いい作品を静かに満足いくまで、出来れば一人で見たい、というシンプルな望みが満たされればいいだけ。それがいかに貴重な体験か。  ほとんど誰もいない美術館に素晴らしい質の作品があって、それをたまに見たくなった時にふらっと出かけて堪能する。そういうことが可能ならそれはほとんど自分でその作品を持っているようなものです。ただ家に置けないから収蔵、管理、展示賃として入場料を払うのだと思えば破格の安さですし。そんなことを、こういう地方の「当たり」美術館の展覧会では感じてしまいます。
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 その後は自分の展覧会に鹿嶋神社へ。メディアの方は既に取材を終えていましたが、神社の方と話している間にも地元のお客さんがちらほら。暗くなるまで話は尽きませんでした。  サイトをリニューアルし、会期、場所、作品画像など見やすくなりました。是非ご覧ください。 http://www.little-christmas.com/index.html
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残暑のアートと冬支度

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 夏のアート展終了しました。 https://isetan.mistore.jp/store/urawa/index.html;jsessionid=3ocyjd5KwniBVygy6LaR-uLxXxOJyf05NBXUWHa3BpyyChXcijVJ!-1912955461ご来場のみなさまありがとうございます。今回は会期中に二十歳の誕生日を迎えるという若い方が2度訪れ、新作のガラス絵を気に入ってお持ち帰りしてくれたのが印象的でした。若いということにも増して作品に向き合う姿勢、その独自のこだわりが言動から伝わってくるのが強い印象を残します。この展覧会はぎりぎりで決まったこともあり、ほとんどが通りがかりのお客さんでしたが、それでもふと気に入ってくれる方や、何度も足を運んでくれる方との出会いもありました。先輩作家の作品と並べて、会場でご本人と沢山話せたこともまた拙作を省みるきっかけとなり、個人的には収穫の少なくない展覧会になりました。  ほぼ平行し、アトリエでは今年のリトルクリスマス版画展のエディション刷りが終わり、乾燥が進みます。
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 せっせと刷る。エディション60部、作家刷り6部、贈呈刷り2部、計68部。失敗も計算して約80枚弱は一度に刷り切る。自分としては新しい試みに三椏紙を使いました。三椏はその名の通り枝が三つずつ分かれていくので「みつまた」と言うんだよ、と習ったのが大学生の頃。あの頃は今よりずっと和紙のことを知りませんでしたが、今もまだまだ。知識ではなく、版画の刷りを通して和紙と馴染むのが作家。水の湿しの加減を調整する為にプレス機のラシャ布と版の間に綿布を挟むというマイナーチェンジ。工夫が上手くいくと嬉しい。  我が蔵書たち重しとして活躍。年末をお楽しみに。
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ミューズへ

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 リトルクリスマス版画展もじわじわ始まっています。去年に引き続き前橋のアートギャラリーミューズのオープニングに行ってきました。 http://www.agmuse.co.jp パーティーに駆けつけてくれるお客さんが多く、和やかな雰囲気の中で作品を楽しむギャラリーという感じ。去年のお客さんが顔を覚えていて声をかけてくれます。お客さんの元へ旅立っていく作品が多いのも自然と納得しました。お近くの方は是非。今月23日まで、日曜定休です。 前橋市天川大島町3-7-9 tel.027-243-3888    オープニングで作家が使用したカップはサインと絵入りで画廊に収蔵(?)
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エディションの刷り方

 まだ暑さが残っていますが秋の風。今年も全国で催すリトルクリスマスのための作品候補を作り、エディションを刷りきりました。エディションを刷るという制作は版画家を意識させる瞬間でもありますし、その版が刷るに足る質であるかどうか版に問われるようでもあり、刷り始めるまでじたばたさせられます。
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版が出来ると試し刷り。インクと和紙の色。色々。
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 インクは金と黒の2色。詰め分ける。
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 それぞれの色が混ざらないように拭きあげる。
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 雁皮紙を乗せて、糊を塗り見当に合わせセッティング、プレス機を回す。
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 刷り上げた作品を裏返して水張り。  以上を黙々と続けます。  全国の展覧会は来週福島からスタートです。  

遅れてくること

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 リトルクリスマスはおかげさまで過去最高の売上だったそうです。20代の完売作家が出て、30代の作家も売れてきました。これはこの展覧会の主旨、版画の種を蒔こう、が成功しているひとつの結果だと嬉しく思います。若手作家と画廊、お客さんの繋がりが生まれているということ。それも含め一年応援していただいたお客さんに次の良き一年を祈って年賀状を1枚1枚手摺りします。  ビュランを使って小さな木口に絵を彫る。  利便性、あるいは自分のテーマ性に沿っているなどというアタマで考えた理由に立脚しているわけではなく、行為や素材自体に魅力を感じ試みている印象の強い媒体だと思いつつ年輪を見つめる。ビュランの研ぎも鉛筆を削るように・・・とまではいきませんが下手なりに少しずつ不便には感じなくなりました。(これが相当絵に影響を及ぼすことが年々分かってきました。)  本来は合理的に考えて素材を選ぶのが良いなと思うし、それが結果的にもはまれば理想的だとも思いますがどうにもできない。気になってしょうがない、が発する引力は侮れないし、無意味でもないだろうということにしています。しかしそのままでいいわけではなく、そこはやはりツケを後に回すだけで、作りながら考えないことには進めなくなります。当然欲しい時に答えが見つからない時も多く、ぐるぐる迷い道。自分でやっておきながら自分がやっていることに謎が残るという矛盾した活動を抱えることになってしまうのは避けがたいのです。  この辺りの事を語るのは難しく、聞く人にとてもいい加減な印象を与えてしまう恐れもあるし、実際いい加減なのかもしれませんが・・・。  本当に時々ですが過去の自作がすっと腑に落ちることがあり、そうなるとちょっと先が見える気がするのでありがたいことです。あ、これ、やった方がいい、やりたい。という所からスタートしてしまう、それはやはりそうなのだから仕方ないのです。  絵が恐ろしいのはただ羊の絵を描いただけなのにそれだけでは済ましてもらえない、その時の考えた事が見え隠れしてしまうというところです。  絵がそうならば素材もそうなのだろう。腑に落ちる時間差はどれも違うのですが。
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リトルクリスマス’14 都心

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   京橋、ギャルリー東京ユマニテでの展覧会「LC.Extra'14」飾り付け。リトルクリスマスからの派生企画で、fb上でつながっている作家コミュニティseed projectの作家の中から希望者が普段の作品も別室にて見てもらおうというものです。新作2点出品中。  リトルクリスマス’14もクライマックス。都心でも次々に開催しています。  吉祥寺のカフェギャラリーPARADAでは近くの知人が訪れ、じっくり作品を物色する真剣なまなざしに出会えたり(買うぞ、という視点で作品を見るというのはかなり厳しい視点でもあり得るのです)。
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 某画廊のオーナーはベン・シャーンの「マルテの手記」を持っているという情報を入手。偶然自分も気に入っている版画集のひとつだったので驚きましたが、オーナーの人柄や、画廊の経緯などを聞いているうちに妙に似合うな、と納得。仲良くなったら拝見させてもらえるかと狙い中。  そして麻布十番画廊では唯一作家が公式に集まるパーティーがありました。興味を持って記事にしたいとわざわざ取材しに来てくれたブロガーさんもいました。そういう方が乗り込んで来るのは初めて。コレクターさんたちは今年は少なめだったので少ない方への丁寧な自己紹介と質疑応答。これまでの経緯や今考えていることなど作家同士の情報交換。熱い想いで生き延びてきた先輩作家達に囲まれていると刺激をもらいます。  麻布十番では常田さんによるワークショップにも参加しました。ワークショップは1枚しか同じ物を刷れない不思議な版画、モノタイプ体験。「版を介する」という間接的な表現なので版画に分類されますが、いわゆる型が無いので複製出来ません。全くの素人でもすぐに出来ますし、プロでもはまる。  刷ってひっくり返した瞬間の結果に心を揺らす原体験はここにある。そしてこだわろうと思えば色々な遊び方も出来る懐の深さもあります。1日中盛況だったようです。
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前橋のミューズ

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 堺の夜。並んで待ったたこ焼きと、偶然遅くまでやっていたので飛び込んだうどん屋が美味しかった。食べ物の事ばかりですが、大阪でも作品を楽しんでくれる方に会えた事が何より嬉しく思っています。  作品が縁を生む、という事で今度はリトルクリスマス版画展。群馬は前橋のアートギャラリーミューズへ。 http://www.agmuse.co.jp 以前版画集seedleavesを作っていた時に試作を見ていただくためにお邪魔しましたが、今回は展覧会のレセプションパーティーです。地元のお客さんが沢山来てくれて終始和やかな会でした。画廊とお客さんの距離が近く、それがいい雰囲気で、作家も自然と話が盛り上がり、居心地がいい。
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 リトルクリスマスの初年度に自作を購入してくださり、部屋に飾っているというご夫婦とお会い出来ました。今年のと並べます、とありがたい言葉。こうこうこういう絵が自分は好き、とはっきりと楽しそうに語る姿を拝見し、やはりそういうコレクターの方と話せるというのはこちらも展覧会のやりがいがあると言うか、やる気が出てきます。行って良かった。  写真は途中で寄った高崎市美術館の旧井上房一郎邸。旧日本家屋は陰影にはっとする美しさが随所に見られます。
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リトルクリスマス派生企画

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 すっかり朝晩涼しくなり、日差しも秋のそれです。  クリスマスに大切な人へ、あるいは自分へのご褒美に。  版画を集めて飾る楽しみを知ってもらいたいという作家の思いからスタートしたリトルクリスマス版画展は今年で5年目。新作を各作家毎年一点この為に作ります。飾りやすいA4サイズ、\7000。  毎年色んな派生企画が持ち上がったりします。去年は版画集を作りました。その中で出て来た種子、のテーマが自分の中にまだあり、今年はそういう作品になりました。派生したものからまたフィードバックして自分の制作を考えられます。  ちなみに今年は通算10点以上お買い上げの方に作家からささやかなプレゼント企画ができました。数名の作家の中からお好きな物を選べます。自分はフジツボ柄の手ぬぐい。顔も知らなかったコレクターの方にお礼が出来る様で嬉しいです。  SNSでは本屋大賞のように、ネットユーザーや画廊や作家が選んだ人気作品の上位がfbで発表されたりしています。案外選ぶ人の立場やタイミングによって変わるのが興味深いです。https://www.facebook.com/little.christmas.hanga.print   同じ作品を扱っていても各画廊によって案内状や展覧会の飾り付けも大きく違います。そこが面白いところでもあります。行けるところにはなるべく足を運びたい理由。画廊によっては作家の雑貨を同時に飾ったりもしているようです。  これから年末まで日本列島版画旅です。
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晩夏

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 展覧会は季節を先取り。リトルクリスマス版画展のエディション刷りを今年もやっています。例年はこれがリトルクリスマス用と決めて1点作っていましたが、今回はエディション刷りに入る前に何点かバリエーションを作ってから選びました。他にも例年にはない挑戦も盛り込んでみましたが、反応は発表してみるまでは分かりません。作者のこだわりは空回りする事もあるので、毎回そういう緊張感はなくなりません。  長野の山や湖でスケッチ旅、箱根でポーラ美術館(http://www.polamuseum.or.jp)と彫刻の森(http://www.hakone-oam.or.jp) 見物。夏休みらしく遠出もしていました。  納得出来てきたことと、つっかかったまま解消されない棘が刺さった様な感じで描いて見て発表して、絵の周りをうろついて今年の夏も過ぎていきます。

鹿沼街角クリスマス

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 ちょっと早めのクリスマスを版画で鹿沼に。  美術館の展覧会と併せて各店舗のオーナーさん達に今年のリトルクリスマス参加作家の作品の中から気に入った作家を選んでもらい、自分のお店で飾ってもらうという鹿沼の街を巻き込んだ企画です。カラフルな花屋、ハナドコロ エン。小径の奥の野菜レストラン、アンリロ。鹿沼の食材とワイン、ペリカンルージュ。カフェレストラン、カナルデパナマ。石造りのアカリチョコレート。雰囲気のいい飲み屋、ずず。などなど美術館の企画展覧会のみやって終わりではなく、街角の人を版画作品によって作家が繋ぎます。  齋藤は古着屋shirabe。
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 何度も電話ではお話していましたが、どんな感じのオーナーや店かは会ってみなければ分かりません。仕方なくという感じだったらどうしようかなと思いつつカートをガラガラ転がして店に入っていくと歳の近いハキハキとした女性店長がすぐに声をかけてくれて、どんどん展示スペースを作ってくれました。釘を打ちつけながら作品についてなど色々な話をしてくれます。前向きに捉えていてくれたようでほっとしました。  なんと鹿の頭蓋骨が店内にそっと飾ってあるではないですか。山で頭を拾って持ち帰り、煮て骨を取るとのこと。自分もなんですよと打ち明けると、この話をして引かないどころか自分もですと言われたのは初めてと盛り上がりました。 作品を飾って新鮮なのはこちらだけではなく、店の人やお客さんに楽しんでもらえたらいいなあと思いつつ帰路につきました。
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川上澄生とネコヤド

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 少し早いですが、リトルクリスマス版画展が始まっています。栃木は鹿沼市立川上澄生美術館が今年から加わりました。今回は初めての場所ということもあり、街角企画として、参加作家の中から店舗の方々に選んでもらった作家がその店で作品を飾って宣伝をします。版画作品で美術館と街を繋ぐという発想。  そしてもう一つは鹿沼で開かれるネコヤド大市にリトルクリスマス版画展として参加してみようというものです。ブースを出して実際に鹿沼にいる方たちや訪れる方々と直接話してみるというのは宣伝にもなり、関わっていきやすい版画ならではの強みも活かせます。作品や関連グッズを担いで行ってきました。
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 ブースを出してポスターを貼っているとお客さんが結構話しかけてきます。版画の原版や刷り上がった作品、作品を利用した栞やポストカードなどを交えて趣旨を説明したりしているとさらっと聞いて買っていく方もいれば、熱心に聞いてリトルクリスマス自体の趣旨に驚いて興味を示す方など色々なリアクションが返ってきます。海外のアートフェアなどでも活躍している先輩作家は「何百万動くアートフェアも何百円のこのブースも僕にとってはおんなじ。お座敷拳法は通用しない。」と仰っていました。  確かにその場を通るお客さんと作家である自分の関わりの上では環境による上下はありません。閉鎖された繋がりの中で偉そうな地位に持ち上げられても、ちょっとその枠からはみ出した場所では全く評価されない、通用しないというのはよくあること。後ろ盾もない場所では作品自体は一要素であり、あとは誠意を込めて精一杯向き合っていくしかありません。納得がなければ作品は人と人の架け橋にはなり得ないのかもしれません。
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 林の中のブースはジュエリーやボタン、足つぼマッサージ、など木立の合間にぽつぽつといい距離で人がいて面白いなと思いました。こういうあり方もなにかヒントにならないか。  
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 夕方美術館へ行って展示の改良。美術に興味があって見たいという人が来る場所、なんとなくぶらぶらしてコーヒーやカレーや足つぼマッサージの隣に絵があるのを楽しむ場所、分断されていること、地続きであること。両方の特徴、課題、を同時に感じた日でした。 鹿沼市立川上澄生美術館HP http://kawakamisumio-bijutsukan.jp

鬼灯

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 食用鬼灯をいただきました。存在すら知りませんでしたが、独特な強い香りが部屋に広がります。 弾ける食感、甘酸っぱい味わい。観賞用と比べると控えめな見た目ですが、薄い皮をぺりぺり剥くと鮮やかな色。口に放り込んでみると、今まで体験したどの記憶とも違う味でした。    花壇の鶏頭が台風で倒れましたがそのまま枯れずにどんどん咲いているので、間引いて吊るしました。どこでも花を咲かす。たくまし過ぎてちょっと圧力を感じます。
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 時々暑い日もありますが、つるべ落としの如く着実に日は短くなっていますね。秋はそれと感じたときにはもう冬がそこまで来ている。  5日からは鹿沼の川上澄生美術館で少し早めのリトルクリスマス版画展がスタートします。