個展搬出でまたどっと引き返してきた作品達を整理しつつアトリエの片付けやら腐食液周辺の改良をしていました。
今回は新旧混ざった作品展示で、割とまとまった方向性のようなものが見えてくるなと並べたのを眺めながら思いました。懐かしい顔に出会ったり、何度か来てくれる方もいたりで段々突っ込んだ話にもなり退屈しませんでした。
地元の方や遠方の方、新聞で見て来てくれた方、偶然飛び込みなどの幸運に恵まれ、作品もたくさん嫁ぎました。
気まぐれですが嫁ぎ先などに暑中見舞いを送りたくなったので刷ってみました。そのうち届きますお楽しみに。
今日は溜まっていた片付けと暑中見舞い刷りが終わったので涼しかったことも手伝って陶芸小屋まで自転車を漕ぎました。往復3時間ほど。右足左足右足・・・同じ動作の繰り返しが気持ちいい。登山が好きなのもほとんどそれがしたいから。
芝川の草は強い影を反転した真夏の空に落とします。
誰もいない小屋に着くとすぐに土を捏ねるけれど全然カタチにならない。3個目くらいからやっと器のカタチに。なまる。相変わらず出そうとしてない味が思いっきり醸されてしまいますが、土にしばらく触っていれば気持ち良くなってくるので良しとする。
結局一息で5個作って落ち着くとすぐに自転車で帰りました。運動と土でだいぶ満足。あとは絵が見たくなったので銀座へ。流石に電車。
養清堂画廊で先輩の版画家小野耕石さんの新作個展。原点回帰とおっしゃっていましたが確かに大学時代の鱗粉のような作品大~小。立体的ドットの作品ですが角度による色の移り変わる迫力も自然なムラのカタチも独特で面白い。見続けているせいか変化に気付きます。少し前までは機械の部品っぽい点柱でしたが今回は生き物の一部っぽい印象でした。写真だと映らない体験型の作品。ストイックな挑戦をし続けている感じが伝わってきます。10日まで。おすすめです。
その後ブリジストン美術館がまだやっていたなと思いだしハシゴ。マチスの「ジャズ」、ステンシルの軽やかさと切り紙コラージュ原稿のニュアンスが楽しい。手技を感じるのに手技とは一線を画す。ルドンのリトグラフ「夢想」。こちらも物語性とビジュアルの関係が詩的で絶妙。じっと見ていると違う世界に引き込まれそうな怖さも魅力。
繰り返す手技にこだわるほど手技と距離が出てくる印象を与える版、という表現には今でも新鮮な発見がある気がします。